用語集
用語集
安全係数(Safety Factor)
ある化学物質について、動物における最大無有害性影響量(NOAEL)から、ヒトの一日摂取量(ADI)を推算するときに、ヒトと動物の種差やヒト間の感受性ばらつきなどを考慮して安全率を使用する。この安全率のことを安全係数と呼ぶ。不確実係数(UF:Uncertainty Factor)ともいう。
安全データシート(SDS / Safety Data Sheet)
化学品の安全な取り扱いを確保するために、その物質名、供給者名、法規制分類、危険有害性、安全対策、緊急事態の対策などに関する詳細な情報を含む資料。
国際的には国際連合の化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)やISO1104-1 で標準化されている。
従来 MSDS(Material Safety Data Sheet)と呼ばれていたが、物質のみの運用でなく安全情報一般について適用させるために、SDS(Safety Data Sheet)に名称を変更した。 (⇒物質安全データシート/ (MSDS))
アンドロゲン(男性ホルモン / Androgen)
ステロイドの一種で性ホルモンの一つ。一般に男性ホルモンとも呼ばれる。 主なものはテストステロンとジヒドロテストステロン。
閾値(いきち / Threshold)
薬物などが生体に反応を引き起こす最小用量のこと。毒性学では薬物などを摂取(せっしゅ)しても、摂取量が閾値(いきち)未満であれば、生体には影響がないと考えられている。
一日許容摂取量 (ADI / Acceptable daily intake):⇒TDI(Tolerable daily intake)
人がその物質(医薬品、食品添加物、農薬等)を生涯にわたって毎日摂取しても(食べても)、健康に何ら有害な影響が認められないと考えられる一日あたりの摂取量のこと。 体重1kg当たりの物質量で表される(mg/kg体重/日)。 この値は、動物実験で得られた最大無有害性影響量(NOAEL)を元に設定される。
インシリコ(in silico)
in vivo(生体中で)やin vitro(試験管内で)との対比で生まれた言葉でコンピューターを利用した解析研究のこと。 シリコはシリコン(集積回路を構成する半導体の原料)の意味で「コンピューターを用いた」を表している。
インビボ試験(in vivo)
生体内で発現される反応や機能を調べるために、動物を用いて行う試験のこと。in vivoには「生体内」という意味がある。
インビトロ試験(in vitro)
生体内で発現される反応や機能を調べるために、試験管やシャーレ内にて人為的にコントロールされた生体外環境下で細胞や細菌を使った試験のこと。 in vitroには「試験管(ガラス)内」という意味がある。
疫学(的)調査
疾病とその原因と考えられる物質や環境などとの関連性を証明するために、人の特定の集団を対象に、疾病率、死亡率など、健康に関わることがらと物質の曝露量や環境条件との関係を調査し統計的な因果関係を明らかにすること。
エコチル調査
2011年より環境省が実施している「子どもの健康と環境に関する全国調査」の事で、「エコロジー」と「チルドレン」を組み合わせて「エコチル調査」と呼ばれています。日本中で約10万組の子どもたちとその両親が参加して行われる大規模な疫学調査で、赤ちゃんがお母さんのお腹にいる時から13歳になるまで、定期的に健康状態を確認し、環境要因が子どもたちの成長・発達にどのような影響を与えるのかを明らかにする調査です。(http://www.env.go.jp/chemi/ceh/)
壊死(えし)
体内の組織や器官などの細胞が病理学的に死ぬこと。
エストラジオール(17β−Estradiol)
卵巣、胎盤で生合成される女性ホルモンの一つ。天然の女性ホルモンのうち、作用が最も強力である。
エストロゲン(女性ホルモン / Estrogen)
ステロイドの一種で性ホルモンの一つ。一般に卵胞ホルモン、または女性ホルモンとも呼ばれる。主なものはエストラジオールとエストロン、エストリオールなどがある。
エポキシ樹脂
ビスフェノールAを原料とする熱硬化性樹脂の一つ。缶詰の内面のコーティング(ライニング)、塗料などに使用されている。
エンドポイント
動物実験で化学物質の影響を調べる場合の具体的な評価項目のこと。例えば、体重の変化、臓器の重量や形状の変化、精子数など。