用語集
用語集
催奇形性(さいきけいせい)
妊娠中の母親が何らかの医薬品や化学物質を摂取したり、何らかの経路で体内に取り込んだ場合に、胎児に形態異常や機能障害などの発生障害をきたすこと。
再現試験
時期、場所、試験者などを変えて同じ方法で試験を繰り返すこと。試験結果が再現されることで、その試験方法と結果が信頼できるものと判断される。科学の世界では基本的な要求事項である。
材質規格
食品衛生法で、食器、器具、食品包装などに使われる材質から溶出される化学物質を分析するための試験方法とその基準値を定めたもの。
最低影響量(濃度) LOEL(C) / Lowest Observed Effect Level(Concentration)
毒性試験に於いて統計学的または生物学的に有意な影響が観察される最低投与量(濃度)。最小作用量ともいう。影響の中には有害、無害両方を含むので、一般には LOAEL に等 しいかそれより低い値である。
最低有害性影響量(濃度) LOAEL(C) / Lowest Observed Adverse Effect Level(Concentration)
毒性試験において有害な影響が頻度または強度において統計学的または生物学的に有意に増加した最低の投与量(濃度)
3R
プラスチック、金属などの各種材料の廃棄物の有効利用を図る主な方法のこと。 抑制・削減(Reduce)、再使用(Reuse)、再利用(Recycle)のRの頭文字で表したもの。
受容体: ⇒ レセプター / Receptor
生体内の特定の化学物質(ホルモンを含む)と結合することで活性化し、生体内の反応を引き起こすタンパク質のこと。特定の組織にはその機能に応じた特定の受容体が存在する。
植物エストロゲン(Phytoestrogens)
植物中に含まれる女性ホルモン様作用を有する物質のこと。植物由来の女性ホルモン様物質ともいう。ヒトが食料としている大豆、もやしなどに含まれている。イソフラボン類が有名。 (野生生物や実験動物が食物から摂取することも有るので、実験結果では影響を考慮する必要がある。)
重合反応
化学物質を反応させて繋ぎ合わせ、分子量の大きなポリマー(重合体)を合成する化学反応のことを言う。出発物質となるモノマー(単量体)やポリマー、目的とするポリマーの種類や形状により、様々な重合方法が存在する。
静脈内投与
毒性試験において、試験物質を静脈に注射して与える方法のこと。静脈内投与の場合、消化器官や腸管膜血管からの吸収と異なり肝臓による代謝を経ずに全身に循環するので、経口投与や腹腔内投与よりも作用が早く、強い。
摂取
動物やヒトなどの生物が、物質を食べたり、飲んだり、吸い込むなどして体内に取り込むこと。
女性ホルモン(エストロゲン)
卵巣などから分泌される性ホルモンのこと。17β−エストラジオール、エストロン、エストリオールなどがあげられる。メスの性成熟を制御している。
種差
動物の種の違いのこと。種差によって化学物質などに対する感受性(影響の程度)が異なる。
スクリーニング毒性試験
多くの物質を評価する場合に行われる短期間でできる篩い分け試験のこと。 魚類を用いたビテロジェニン産生試験やパーシャルライフサイクル試験がある。化審法のスクリーニング試験では、監視化学物質や優先評価化学物質に該当するか否かの判定するために、ほ乳動物を用いた28日間の反復投与試験や細菌を用いた復帰突然変異試験、培養細胞を用いた染色体異常試験の3つの試験が必要である。
精子生産効率
1日に精巣でつくられる精子の数(精液1ミリリットルに含まれる精子数)
多世代試験
化学物質の動物への健康影響を評価する試験法の一つ。化学物質を実験動物(ラットやマウス)の親の交配前から子の2世代以上にわたり投与することにより、数世代にわたる化学物質の影響を評価する試験。評価項目には受精、出生仔の数、成長・発達の程度、臓器重量、組織状態などがある。多世代生殖試験、多世代繁殖試験ともいう。
生殖発達毒性(Reproductive Toxicity)
雌雄両性の生殖細胞の形成から、交尾、受精、妊娠、分娩、哺育を通して、次世代の成熟に至る一連の生殖発生の過程のいずれかの時期に作用して、生殖発生の有害な作用を引き起こす性質。生殖発生毒性とも言う。
生分解性(Biodegradation)
ある物質が自然界に放出された時に微生物によって分解される性質のこと。実験室的には日本全国10箇所で集められた活性汚泥をもちいる。