用語集
用語集
ACC(American Chemistry Council)/米国化学工業協会
ADI (Acceptable daily intake/一日耐容摂取量)
生涯を通じて毎日連続して食べても有害な影響を受けることがありそうもない量をいう。一日許容摂取量ともいう。動物実験で得られた無有害性影響量(NOAEL)を外挿(がいそう)することで設定される。
ANSES(Agence nationale de sécurité sanitaire de l'alimentation, de l'environnement et du travail)/フランス食品環境労働衛生安全庁
BfR(Bundesinstitut für Risikobewertung)/ドイツ連邦リスク評価研究所
Bisphenol A (BPA/ビスフェノールA)
フェノールとアセトンから合成される化学物質。BPAともいう。ポリカーボネートやエポキシ樹脂の主原料である。その他の化学品の原料やプラスチックの添加剤としても少量使用されている。
CDC(Center for Disease Control and Prevention)/米国疾病予防管理センター
CDCは1946年に創設され、米国国内・国外を問わず、人々の健康と、安全の保護を主導する立場にある連邦機関。健康に関する信頼できる情報の提供と、健康の増進が主目的である。
Cefic(European Chemicals Industry Council)/欧州化学工業連盟
ECHA(European Chemicals Agency /欧州化学機関)
欧州連合の専門機関の一つ。機関が所管する法には、化学物質の製造業者や輸入業者の登録書を受領し、提出された文書を検証するなどに関する化学物質に関する登録・評価・認可および制限制度(REACH規則)、化学品の分類と表示と包装に関するCLP規則、殺生物剤品(バイオサイド)規則の化学物質の安全に係る規則がある。
EDC、EDCs (Endocrine Disrupting Chemicals/内分泌かく乱物質)
世界保健機構・国際化学物質安全計画では、「内分泌系の機能を変化させることにより、健全な生物個体やその子孫、あるいは集団(またはその一部)の健康に有害な影響を及ぼす外因性化学物質または混合物」と定義しているが、研究者や機関によって定義が確定していない。
EFSA(European Food Safety Authority/欧州食品安全機関)
欧州連合の専門機関のひとつ。食品や飼料に関連するリスク評価を行い、安全性について欧州委員会などに科学的助言を行う機関。欧州委員会とは独立した機関として2002年に設立。
ELISA法 (Enzyme-Linked Immuno Sorbent Assay)
抗原または抗体を酵素で標識(共有結合)し、抗体または抗原の存在を酵素活性を利用して検出する方法のこと。迅速・簡便な分析法であるため、各種臨床診断や生化学および生物学的検査に広く用いられている。人の尿や血液中の化学物質の濃度測定にも使用されてきたが、最近では、人の尿や血液などの組織の分析には、バラつきが大きく、不正確であることが分かった。
EPA(Environmental Protection Agency)/米国環境保護庁
米国の環境政策全般を担当する行政組織(日本の環境省に相当)。本部はワシントンD. C. にあり、10ヶ所の地方支部局および10数カ所の研究所が設置され、全国に約18,000人の職員を擁する。組織のミッションは、人の健康および、大気・水質・土壌などに関する環境の保護・保全と位置づけている。
FDA(Food and Drug Administration; FDA/米国食品医薬品局)
米国の政府機関であり、食品や医薬品、さらに化粧品、医療機器、動物薬、玩具など、消費者が通常の生活を行うに当たって接する機会のある製品について、その許可や違反品の取締りなどの行政を専門的に行う。
GHS(Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals)
国際連合の勧告に基づき、世界的に統一されたルールに従って化学品を危険有害性(ハザード)ごとに分類し、その情報をラベル表示や安全データシートで提供すること。
GLP (Good Laboratory Practice) : ⇒ 優良試験所基準
化学物質に対する各種安全性試験成績の信頼性を確保するための手段として経済協力開発機構(OECD)において1981年に採択され、化審法では1984年に導入された。GLP制度では、試験施設毎に運営管理、試験設備、試験計画、内部監査体制、信頼性保証体制、試験結果等をチェックし試験成績の信頼性の確保を図るもので、3年毎に確認更新が必要となっている。
ICCA(International Council of Chemical Associations)/国際化学工業協会協議会
in vivo試験 /インビボ試験
in vivoには「生体内の」という意味があり、生体内で発現される反応や機能を調べるため実際に動物を用いた毒性試験のこと。
in vitro試験/インビトロ試験
生体内で発現される反応や機能を調べるために、試験管やシャーレ内にて人為的にコントロールされた生体外環境下で細胞や細菌を使った試験のこと。 in vitroには「試験管(ガラス)内」という意味がある。
LCA (Life Cycle Assessment/ライフサイクル評価)
その製品に関する資源の採取から製造、使用、廃棄、輸送など全ての段階を通して環境影響を定量的、客観的に評価する手法である。
LOEL(C) (Lowest Observed Effect Level (Concentration)/最小影響量(濃度))
毒性試験に於いて統計学的または生物学的に有意な影響が観察される最低投与量(濃度)。最小作用量ともいう。影響の中には有害、無害両方を含むので、一般には LOAEL に等 しいかそれより低い値である。
LOAEL(C) (Lowest Observed Adverse Effect Level(Concentration)/最小毒性量(濃度)
毒性試験において有害な影響が頻度または強度において統計学的または生物学的に有意に増加した最低の投与量(濃度)
MSDS (Material Safety Data Sheet/物質安全データシート)⇒SDSの項目参照
化学品の安全な取り扱いを確保するために、その物質名、供給者名、分類、危険有害性、安全対策、緊急事態の対策などに関する詳細な情報を含む資料。
NIH(National Institutes of Health)/米国国立衛生研究所
米国の保健福祉省公衆衛生局の下にあり、1887年に設立された合衆国で最も古い医学研究の拠点機関
NIOSH(National Institute for Occupational Safety and Health)/米国国立労働安全衛生研究所
労働災害の予防を目的とした研究・勧告を行う米国連邦政府の研究機関。CDC(米国疾病予防管理センター)の下部組織
NOAEL (No Observed Adverse Effect Level(Concentration)/無有害性影響量(濃度)
亜急性・慢性毒性の程度を表す指標。動物実験などの毒性試験において、与えた試験物質の有害な影響が認められない最大量(濃度)のこと。無毒性量、無有害性作用量(濃度)ともいう。
NOEL (No Observed Effec Level(Concentration)/無影響量(濃度)
亜急性・慢性毒性の程度を表す指標。毒性試験において、試験動物に与えた物質によるいかなる影響も認められない最大量(濃度)のこと。
NTP (Natiomnal Toxicology Program/米国の国家毒性計画)
EPA(米国環境保護庁の下に置かれた毒性評価機関で、化学物質や医薬品などの毒性を調査・評価する。
OSHA(Occupational Safety and Health Administration)/労働安全衛生局
PBPKモデル(Physicologically based Pharmarco Kinetic Model)
薬学領域で発達した薬物の動態計算用のモデル概念であり、医薬品の開発途上で実験動物に投与した投与量を、人の投与量に換算する目的で開発された。
コンパートメント・モデルの一種で体内に入った化学物質がどのように吸収され、体の各部分に分布し蓄積しあるいは排泄されていくのかを時間的に予測することができる計算モデルである。
PCB(Polychlorinated biphenyl/ポリ塩化ビフェニル)
絶縁油、熱媒体、塗材、インキなど広範囲に使用されていたが、昭和45年の「カネミ油症事件」を起した原因物質として確定された。PCBは、難分解性のために環境中に蓄積し、ひいてはヒトの健康にも影響を与えるとして大きな社会問題になった。最近では、「環境ホルモン」の疑いのある物質としてもとりあげられている。
PEC(Predicted Environmental Concentration)
予測環境濃度(Predicted Environmental Concentration)のこと。河川などの化学物質の水中濃度を各地で測定し、これらのデータから環境影響の指標として選ばれる。
PL (Positive List/ポジティブリスト)
用途毎に使用が認められた材料、添加剤などの物質のリストのこと。例えば、ポリオレフィン等衛生協議会が定める食品容器包装に使用できる材料、添加剤のリストがある。
PNEC(Predicted No-Effect Concentration)
予測無影響濃度(Predicted No Effect Concentration)のこと。化学物質の水生生物への影響を評価する場合に用いられ、水生生物に影響を及ぼさない濃度に安全係数(通常10分の1〜100分の1)をかけて求められる。
POPs(Persistent Organic Pollutants/残留性有機汚染物質)
POPsとは、難分解性、高蓄積性、長距離移動性、有害性(人の健康・生態系)を持つ物質のことを指します。POPsによる地球規模の汚染が懸念され、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」(POPs条約)が2004年5月に発効している。
PROPOSITION65
カリフォルニア州法プロポジション65(Safe Drinking Water and Toxic Enforcement Act of 1986(安全飲料水及び有害物質施行法))は、人体へ有害な化学物質が暴露することを防止するめに、(1)飲料水の水源へ有害な化学物質が混入防止(環境保護)すること、(2)人への有害な化学物質を暴露することを防止することを目的として1986年11月にアメリカのカリフォルニア州で施行された法律。
PRTR(Pollutant Release and Transfer Register/化学物質の排出、移動量の届出制度)
PRTR制度とは、人の健康や生態系に有害なおそれのある化学物質が、事業所から環境(大気、水、土壌)へ排出される量及び廃棄物に含まれて事業所外へ移動する量を、事業者が自ら把握し国に届け出をし、国は届出データや推計に基づき、排出量・移動量を集計・公表する制度です。平成13年4月から実地されている。
RC (Responsible Care/レスポンシブルケア活動)
世界の化学工業会が提唱した化学物質を取り扱う企業が、化学物質の開発から製造、物流、使用、最終の消費を経て廃棄に至るまで、自主的に「環境・安全・健康」を確保するように、それぞれの事業者が経営方針において公約し、実行し、成果の公表を自己責任に基づいて行う自主活動のこと。
REACH(Registration, Evaluation and Authorization of Chemicals/リーチ規則)
REACHは化学物質とその安全な使用・取扱・用途(Use)に関する新しい欧州連合(EU)の法律である。それは、登録(Registration)、評価(Evaluation)、認可(Authorisation)、および、規制(Restriction)制度を化学物質(Chemicals)に適用するものである。
RoHS(Restriction of Hazardous Substances Directive)/電気・電子機器における特定有害物質の使用制限指令
電気電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する指令の事で、欧州議会で承認され加盟国は、電気・電子機器における危険物質の法規定を整備し、生産から処分に至る 全ての段階で、環境や人の健康に及ぼす危険を最小化する事を目的としている。
SAICM(Strategic Approach to International Chemicals Management)/国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ
2020年までに化学物質が健康や環境への影響を最小とする方法で生産・使用されるようにすることを目的とし、科学的なリスク評価に基づくリスク削減、予防的アプローチ、有害化学物質に関する情報収集・提供、化学物質管理体制の整備途上国に対する技術協力などを進める事を定めたもの
SCENIHR(Scientific Committee on Emerging and Newly Identified Health Risks)/新興及び新たに特定された健康リスクに関する科学委員会
欧州委員会の科学委員会(Scientific Committees)の潜在的なリスクを評価するために関連する科学的データを検討し、評価する3つの委員会の一つであり、他のリスク評価機関が扱っていない、消費者の安全性または公衆衛生に対するリスクの包括的な評価を必要とする、新興のまたは新たに同定された健康・環境リスク、ならびに、広範で、複雑で、学際的な問題について提言することを目的としている。
SDS (Safety Data Sheet/安全データシート)
化学品の安全な取り扱いを確保するために、その物質名、供給者名、法規制分類、危険有害性、安全対策、緊急事態の対策などに関する詳細な情報を含む資料。
従来MSDS(Material Safety Data Sheet)と呼ばれていたが、物質のみの運用でなく安全情報一般について適用させるために、SDS(Safety Data Sheet)に名称を変更した。
TDI (Tolerable daily intake/一日許容摂取量)
人がその物質(医薬品、食品添加物、農薬等)を生涯にわたって毎日摂取しても(食べても)、健康に何ら有害な影響が認められないと考えられる一日あたりの摂取量のこと。 体重1kg当たりの物質量で表される(mg/kg体重/日)。 この値は、動物実験で得られた最大無有害性影響量(NOAEL)を元に設定される。
TSCA(Toxic Substance Control Act/米国有害物質規制法)
日本の化審法に相当する法律で、人の健康または環境にEPAが所管する有害な化学物質が及ぼすリスクを防止することを目的としており、商業用に米国で製造、加工、または輸入される「化学物質、混合物または化学物質、混合物を含有する物品(アーティクル)」を規制している。
UBA(Umweltbundesamt)/ドイツ連邦環境庁
UNEP(United Nations Environment Programme)/国連環境計画
1972年に開催された国連環境会議での決議に基づき、1973年、国連を主体として行う環境問題関連活動の総合調整管理機関として発足。
WHO(World Health Organization)/世界保健機関
人間の健康を基本的人権の一つと捉え、その達成を目的として設立された国際連合の専門機関(国際連合機関)である。1948年設立。本部はスイス・ジュネーヴ。