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ポリカーボネート・ニュース | ![]() |
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2003年4月 | [内分泌かく乱(環境ホルモン)]
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[内分泌かく乱(環境ホルモン)] ・ビスフェノールA実験―微量で染色体に異常(H15.04.07 山口新聞他) 環境ホルモンとされるビスフェノールA(BPA)は、微量でもメスのマウスの生殖細胞の正常な分裂を阻害し、異常を引き起こすことを、米ケースウエスタンリザーブ大などのグループが発表した。パトリシア・ハント準教授等が、濃度を変えながらマウスにBPAを投与、卵子の基になる卵母細胞の分裂の様子を調べた結果、投与量が多くなるほど、細胞分裂や染色体の異常が増えることがわかった。ハント準教授は、「影響が出たBPAの濃度は、人が通常摂取する量に近く、人に与える影響も心配される」と警告している。
不必要な心配をさせないためにも、動物で見つかった結果の人への影響については、十分な実験と結果の精査や検証が必要と思います。 注1)Pマガジン「解説」: http://www.polycarbo.gr.jp/study/m_index.html 注2)NTP TR80-35(1982) Carcinogenesis Bioassay of BisphenolA 注3)Hunt実験報告に関するBPA安全性5社研究会の見解 http://www.bisphenol-a.gr.jp/frame4.html ・BPAが肝臓で活性化される-広島大(H15.04.26 中国新聞) 環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)の疑いのあるビスフェノールA(BPA)が肝臓内で、エストロゲン活性の働きが非常に強い物質に変化する可能性があることを発表した(吉原助教授/広島大)。BPAは、ポリカーボネート製食器などに含まれ、女性ホルモンのような働きをして、生体に影響を与え得るとされる。研究班は、BPAにネズミの肝臓の酵素を加え、代謝後の物質の量やエストロゲン活性を測定。その結果、BPAよりも少ない物質の生成を確認。ヒトの肝臓の酵素でも同様だった。研究班は胎児への影響などについて、今後検討する必要があるとしている。
しかし、これまで行われてきた動物実験では、肝臓の代謝物の影響も含めて評価されています。従って、 今までの研究結果を変えるものではありません。 ・紙のコップや食品包装容器―環境ホルモン溶出の恐れ:大阪市環境研(H15.05.07 朝日新聞他) クッキングペーパーや紙コップなど身近な紙製品から内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)作用の疑いのある有害物質が溶け出す恐れがあることが、大阪市立環境科学研究所の調査で分かった。再生紙で作った食品包装容器からは県境ホルモンのほか、発がん性が疑われる物質も検出された。プラスチック容器に疑問が持たれ、紙容器への切り替えが進んだが、これまで規制のなかった紙製品にも問題が浮上したことになる。 主な紙製品に含まれる物質の量(製品1グラム当たりのナノグラム)ナノグラム(ng)=10億分の1グラム
尾崎研究員は、「人体に直接影響を与える濃度ではないと考えるが、紙製品にもなんらかの基準が必要」と指摘している。 厚生労働省監視安全課は、「紙容器は問題視されたことがないため、規制してこなかった。危険を指摘する結果が出されたのであれば、内容を確認した上で、必要があれば検討したい」としている。
ポリカーボネート樹脂や製品の安全性については、Pマガジンの「お勉強―ポリカーボネートとビスフェノールの安全性は?」をご覧下さい。 |
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